終わりの始まりが見えてきたGoogleの広告剥がし、規約の締め付け、想定してた事だけど多くの人が広告(アドセンス)のルールをはき違えていると感じるので、どうしてこんな流れ(当たり前なんだけど)になるかを解説
Youtube利用規約改定の内容
YouTube が独自の裁量により、お客様への本サービスの提供がもはや採算に合わない事業となったと判断するに至った場合、YouTube はお客様またはお客様の Google アカウントによる、本サービスの全部もしくは一部へのアクセスを解除できるものとします。
これについて以下のような考察がされている
広告売り上げが少ないチャンネルのアカウントを削除するという意味ではないかという考察
クリエイターだけでなく、一般ユーザーでも多数のコンテンツを視聴しているのに収益化に繋がらない場合は削除される可能性
これ、どっちも正解だと思いますし、これはごくごく当たり前の方針だという事を簡単にまとめます
ポイント1:Youtube(Google買収後)は慈善事業じゃない
Googleのサービスを私たちは無料で利用してますが、その代わり様々場所で知らない内に見ている広告がありますが、あれは全てGoogleが所有している広告スペースから表示されています
テレビの合間にCMが挟まるとイラ(# ゚Д゚)としたりするけれど、ネットサーフィンでなんとなくページを開いていくときに出てくる、誰かのサイトの気にならない所で表示されている広告なども含め、実は知らないうちにGoogleの広告を見ているので実質無料で利用ができるんです
ポイント2:Googleはwebサービス上の広告枠を管理する不動産
WEB上のバナー、検索結果の広告スペースなど、Googleが持っている土地はたくさんありますが、Youtubeを買収した事によって、Googleは動画の中にも広告を表示できるようになりました
さて、そんな広告スペース所有の不動産であるGoogleの土地を借りたい!と広告主(スポンサー)になって宣伝広告を出す方法がGoogleアドワーズ(広告出稿)です
これは動画広告枠も含まれますが・・その肝心な動画って誰のものか?
それが、個人がアップしている収益化可能と判断されたコンテンツ動画枠(アドセンス)です
一旦整理しましょう
広告主(スポンサー)→GOOGLEに有料で依頼→マッチした動画に広告表示=反応があればGoogleが動画主に報酬
これが基本的な報酬の構図です
広告主:Googleに最適な宣伝を依頼する
Google:クリエイターの土地(動画内)を貸りる代金として報酬を払う
クリエイター:動画内にCM広告、バナー広告表示およびクリックに見合った報酬を受け取る
この三者が規約を守った信頼で成り立つからこその安定したビジネスだった訳ですが・・どうして、Googleがこうも規約を変えざるを得なくなったのか?について
1:GoogleはYoutubeを成長させるためにインセンティブを与え過ぎた
Youtubeは再生数×いくらという報酬と、アドセンスの表示・クリック等の報酬があった訳ですが、これは当初、Youtubeの認知度を上げるために使った戦略です
- Youtubeを使って活動するクリエイターが増えれば広告主に提供できる宣伝場所が増える(Googleにとってメリット)
- そんなYoutubeのクリエイターのコンテンツを見るユーザーが増えれば広告クリックも増える(広告主にとってメリット)
- 閲覧者やファンが増えればクリエイターのモチベーションも収入も増える(クリエイターにとってのメリット)
・・が、これも参入ハードルが低すぎたため、お金欲しさの目先の欲、炎上芸の低品質のコンテンツ、小型化した身内コミュニティという、ビジネスとして採算がとりにくい変化が起き始めた結果・・
- 広告主にとってマイナスイメージがつく宣伝場所が増えてスポンサーが撤退
- 低品質なコンテンツ増加でユーザーが離れる
- 同じ穴のムジナのライバルが増えて環境の悪化により品質が良いクリエイターが離れる
そこで、少しずつ規約を締め付けていく必要が生まれました(当然の流れ)
2:Googleは広告主のためにクリエイターの条件を厳しくした
誰でも簡単にアカウントを作り、誰でも簡単に報酬を得られていた条件から、収益化の条件が、1000人以上の登録者、12か月以内の再生時間が4000時間越え と変更したのは結構衝撃的でしたね
この結果、楽してお金稼げるならちょっとやってみようかな?という程度の戦略性がない=クリエイター資質がないと判断できる人たちのモチベーションが下がり、明確な目的と収益化のテクニックやノウハウに取り組まないような人は一定数淘汰された訳です
Youtubeの利用は自由だけど、条件を満たさない人への報酬カットに成功した訳です
これに対し、一部の人たちが文句を言ったり、めんどくせぇからやめるわ!と大きな変化が起きた(想定内)訳ですが・・そもそも
- ゲーム実況などで広告が剥がされたというケース
- 政治・経済・ニュースを扱う動画に広告がつかないケース
- 誰かを攻撃(口撃)したり炎上して身内で盛り上がるケース
- 社会的に人の迷惑になる事で話題を集めるケース
ここで根本的な広告宣伝ビジネスの基礎の基礎から言えば
スポンサーの製品に関連性がない所に報酬を払う訳がない という話
当たり前だよ?(笑) っとしか思えない
これは広告主側の気持ちになってシステムを理解すれば当たり前の事
スポンサーは無駄広告費用を払いたくない
もし、あなたが何か製品を宣伝する企業の担当者で、宣伝予算が決まっていたら?
費用対効果という言葉の通り、少ない投資で大きく利益を得るのが宣伝の真の目的です
Youtubeをはじめ、Googleのサービス上にある広告枠で宣伝する際に、広告主はコンテンツマッチやキーワードマッチ、その他表示条件に該当する場所を指定するなど、実は、多岐にわたって非常に細かく狙い撃ちして広告を出す事ができるんです
そうなると、宣伝したいサービスや製品に関連した動画に広告を出すために探します
つまり、あなたの動画に広告がでない、もしくはGoogleの公共の広告しかでないというのは、あなたの動画の内容に広告を出したいと思うスポンサーがいないという警告の赤信号がついてる状態を意味します
わざわざ「あんな動画の所にうちの製品のCMだしやがって!広告費の無駄だ!」とGoogleに直訴しなくても、ここに広告出稿したくない×広告主の人数が集まれば、自動的に判定されて広告が出にくくなるだけの事(避ける広告主の動きはデータとしてGoogleに把握されている)
すると「あなたの動画は広告主にとって良くない場所」として採算が取れないチャンネルとして認定される可能性は非常に高くなります
今その自動判断はAIが行い、条件を満たしてない所は、そもそもAIが管理する良質な広告表示ネットワークから除外されるんですよ?
追記:子供向けチャンネルに広告表示なしの規約変更について
採算が取れないチャンネルは終了について調べてる間に、さらに新しい規約変更が追加されましたね、内容は、子供向けの動画には広告表示をなくすという変更
コンテンツ制作者が子供向けか?否か?を自主的に設定するというルールで、虚偽申請した場合重い罰則もあるとか・・
これが何を意味するか?・・はここまで広告主と広告掲載の基本的な原則を読んで来たらわかると思います
1:子供が見てる時に動画にCMされてもクリックされないので採算が取れない
2:小さな子供が間違って広告をクリックするという誤クリックの問題が多い
これって、広告依頼を出す広告主にとってははっきりいってどぶに予算を捨てるようなものです
とてもわかりやすい例を言いましょう
100万回再生される子供向け動画にバナー広告が出た場合として、1クリック1円だとしても、全員がクリックすれば広告主は100万円の広告費が吹っ飛びます
仮に、それが半分だとしても50万・・30%だとしても30万ですが、クリック1円なんて設定をだす企業はいないので・・安くして1クリック10円・・でも300~500万、50円だと、1500~2500万が一回で吹っ飛びます(゚Д゚;)こぇぇぇえ
何もしらない子供が興味本位でクリックしてしまう場合がありますし、広告を押したり、スキップしないで最後まで見れば配信主にお金が入るから!と入れ知恵された純粋なキッズファンの行動もあると・・(アドセンス的には違反です)
それって本当に・・たたただ馬鹿らしい無駄な出費なんですよね(PPC経験者はわかると思う)
意図的なクリックだろうが、間違ってだろうが、子供がクリックやタップしただけで広告主はお金を払って何も得られないという罰ゲーム
こんな状況じゃYoutubeの子供向け動画広告枠はデメリットでしかない!というような印象を広告主に与えてしまうため、どうやって防ぐか?についていずれは検討されると思ってました
結果、動画製作者側が「この動画は子供向けではありません!」とクリエイター自身が設定する事によって、広告主にとって購買に繋がらない無駄クリックが発生しない場所が明確になり、広告主が損をしないという抑止力になる訳です
逆に、ターゲットが子供向けのコンテンツなのに「子供向けではない!」と偽って広告表示した場合・・それはそれは恐ろしい罰則を食らうのは目に見えてわかりますね(広告主からGoogleが信頼を失うからアカウントBANレベルは覚悟必要)
ほとんどの人がわざわざ子供向けのコンテンツを作ってるケースは少ないので、あくまでも、普通に、基本的なモラルの範疇で行われる合理的なルール変更だと思います
ま、キッズによって再生数や広告誤クリックで稼いでた人たちは収入大幅減かもしれません
ちなみに、公の発表ではCOPPA(児童オンラインプライバシー保護法)の制裁金がどーのこーの表向き、広告主が違法に子供の個人情報を収集していたから、規制するためとあるけれど・・
個人的に、クリエイターに支払う収益を減少させるための無理な言い訳にしか聞こえない理由として・・
だいたい、子供は親のアカウントを使って見てる
(親が見せるための捨てアカウントを与える)
子供の育児にユーチューブを見せとけば黙るからという親はたくさんいますが、親のアカウントだと勝手にクレカで支払いとか料金が発生されても困るだろうから
普通はユーチューブを見るためだけの捨てアカウントを与えるでしょう
つまり収集した所でたいして役にも立たないアカウントの情報は企業はいらない訳です。それ欲しさに子ども向けチャンネルに広告を出すリスクは上記に示した通り、費用対効果は最悪です
COPPAの制裁金は事実なんでしょうけど、それがあったから子供向け動画に広告表示をださない・・というルール変更は、あまりにも広告主とGoogleにメリットがあり、子供向け動画クリエイターにはデメリットになりますね
まとめ:採算に合わない事業と判定されないための対策は収益化を切る事!
今回の利用規約の変更は、すでにアップしているコンテンツ含む、これからのコンテンツに関するユーチューブのルール
その中でも収益化ON=広告主に宣伝場所を提供している の動画を対象としたもの
その動画は広告枠をスポンサーに貸すGoogle不動産の物件になる訳ですね
なので
スポンサーに満足して貰える効果が与えられるコンテンツ
スポンサーから苦情がでないで継続利用される事
採算が合う事業とはこのふたつが絶対条件であり、それが満たされない場合・・
言うほどてめー、再生数も伸びてねーし、広告もクリックされねーし
(# ゚Д゚)ノこのゴク潰しがぁ!でてけぇやぁぁ
と、収益化目的で上げてる動画なのに鳴かず飛ばずで、そこに広告が表示された広告主から、Googleへの信頼性を著しく損なう可能性が非常に高い状況になりつつあるからって印象を受けます
子供コンテンツへの広告表示なしという流れで得するのはスポンサーとGoogleだけで、子供向けコンテンツ制作のクリエイターだけ梯子が外されます(費用対効果的に採算が取れないため)
YouTubeが独自の裁量により~至った場合~全部もしくは一部へのアクセスを解除という明記になっているので、今後はいちいち確認とか省いて、そういう仕組みをAIの自動判断まかせでやっちゃうからね!という宣告かな?
さて、これの怖い所は、今までアップした動画に関して自動で全部収益化ONにしている場合、知らない内にちらほら過去動画が消えちゃったりする可能性は高いと思います
ストレージも無限ではないし、無駄なものは無駄、だってあんた採算でてないし?と合理的な理由(規約)で実行されると思います
今後はチャンネル登録者数にあわせて、アップ可能な動画総数の制限や、視聴維持率(見ている人がどこで離脱してるか等)などのデータでより縛りを入れてくる可能性もあるかも?
なので、もし自分が過去に上げた動画を守りたい!と思うなら、動画単位で収益化を潔く切りましょう。収益化をOFFにすると、採算が取れないGoogleの物件にはならず、個人所有のただの動画になるので、勝手に削除の対象からは外れるでしょう
再生数の伸びなどを確認して、Youtubeや外部からアクセスが増えて来たな~と感じたら、収益化対象はちゃんと選んでONにするほうがいいですね
余談ですが、最近のGoogle検索結果見てどう思います?
完全に企業・公共機関・ビジネス系の情報が上位に優先表示されてますよね
その流れから考えれば、Youtubeのスポンサー優先でクリエイター締め付けのルールはまだ止まらない可能性はあります。今後は、一定再生数以下は再生数報酬カット・・も怪しいかもしれませんね
サービスってシステムやルールがひとつ変われば、まるで別物なので注意です
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