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プラネテス 宇宙ゴミ(スペースデブリ)問題を理解する作品

将来的に人類が宇宙進出を確実にするための開発の妨げとなる宇宙ゴミ問題に日本のJAXAが、国際宇宙ステーションへの補給機を利用したミッションとしてゴミを撤去する実験を開始したっていう話が凄い!・・ってピンと来ない人は、地球でのゴミの不法投棄とはくらべものにならないスペースデブリ問題を理解するために今だからこそ「プラネテス(PLANETES)」を見た方がいい。目の付け所が違うアニメ・漫画です
プラネテス

JAXAが補給機を利用して宇宙ゴミを撤去する実験を開始

宇宙に到達する・・のはもはや当たり前になった現在、人を送り届ける事と同様に、人が長く宇宙にいられるように、物資を貨物するための無人の補給機の発展性も求められている訳ですが、ただ物資を届けて、はい帰還!ってだけだと効率が悪いのだけれど、どうせ行くなら、ゴミも回収してこようよ!という日本の粋な計らいが「スペースデブリ回収実験」
スペースデブリというのは、宇宙ゴミ・・といっても、人もいないのにゴミなんて出るのかい?って話だけれど、そこが宇宙の怖い所。何十年前に宇宙に打ち上げて、そのまま廃棄された衛星や古くなって廃棄されたステーション、爆発事故の残骸で出た・・小さな、小さなネジや部品の一部が、ずっと地球の重力に引っ張られて、衛星軌道上をとんでもない速さで周回しているんですね
スペースでブリ
ネジのかけらとはいえ、超高速で飛んでくる金属ですから、殺傷能力ははんぱないですよね・・当然、そんなものが、宇宙に飛び立つスペースシャトルにぶつかったら、予期せぬ事故が起きる訳ですが・・
スペースデブリ問題はそこからが問題です

衝突事故による二次デブリ、三次デブリの発生

飛んできた金属がぶつかって、破片が出る=その破片もまたデブリ(宇宙ゴミ)となって、地球の軌道上を回る事になり、ある程度のゴミの回収が終わるまで、人類は宇宙に出られなくなるという問題になります
そして、今こうしている間も、宇宙に飛び散らかっているゴミとゴミがぶつかって増え続けているという深刻な状況。だからこそ、JAXAがこれから行う補給機での宇宙ゴミ拾い実験は、人類が安全に宇宙へ飛び立つための本格的な宇宙時代の幕開け、縁の下の力持ち的な作業なのでぜひ成功してもらいたい所ですね
ゴミ収集の実験方法ですが、いきなり本当の宇宙ゴミを拾うのではなく、宇宙ゴミに見立てた疑似物体「エンドマス」を利用し、それに対し700mもの電磁ワイヤーで網を伸ばし、衝突させて勢いを抑え、大気圏に落として消滅させるという構造なので、なんていうか、ハエ取り紙?(笑)
ゴミ収集→焼却炉ダイレクトイン!って感じの省エネ設計ですね
ぜひ、成功してもらいたい所ですが・・話は変わって、このスペースデブリという、新たな宇宙時代に起きる問題について、世紀末の1999年の時点ですでにコミックとして深く掘り下げ、2003年からアニメ化までされた知る人ぞ知る名作「プラネテス(PLANETES)」があるのはご存知でしょうか?

プラネテス(PLANETES)とはどんな作品か?

もうね、これは語りたくてしょうがないけれど、じっくり見て、どっぷりはまって欲しいから極力ネタバレをしない形で紹介します
主人公はとにかく凄い世界へ!もっと早く!もっと遠くへ!いつか俺専用の宇宙船を買うんだ!といかにも熱血主人公な将来の自分の夢を熱く持つ男、通称ハチ。しかし、仕事は大手宇宙開発会社の中でも最底辺の宇宙ゴミ拾いを仕事とするデブリ課所属。同じ会社内でも地位は低く、命の危険に見合わない安月給で、このままじゃいつまでも宇宙船が手に入らない・・と夢と現実に葛藤する日々
そこへ元気で明るい新人、田辺が入社。口癖は「全ては愛です!愛!」と上っ面な発言にいらだちを感じながらもハチと田辺はコンビを組んでゴミ拾いの仕事をする事に・・
ここから先の予想外の怒涛の展開はじっくり見てのお楽しみ(/・ω・)/
ガンダムとか戦闘とかそういう類の宇宙物ではない、完全な哲学作品
なぜ、宇宙に来てまで、ゴミ拾いをしているのか?どうしてこの仕事に誇りを持っている人間がいるのか?宇宙では最底辺の仕事でも、地球から見れば・・、宇宙で生まれて地球を知らない人がいる等、宇宙進出とは何か、宇宙開発とは何か?自分を取り巻く環境の様々な葛藤から、ハチは大きく成長していく
一見ゴミ拾いは底辺のやる仕事だという印象から、そのゴミを拾わないと宇宙がどうなるのか、宇宙事業の先進国、地球に残された発展途上国の格差問題、宗教戦争、宇宙テロ、すべてが宇宙デブリ問題が焦点になっている物語です。これが現実にならないとは言い切れないほどリアルな問題
それを見ていくだけで「宇宙にゴミがある」という事が
これからの宇宙時代にとってどれだけ重要な意味を持っているのか勉強になりますよ

だからこそ、今回のJAXAのスペースデブリ回収実験が成功して、良い結果が出られれば、日本は宇宙の清掃業者として一歩リードするかもしれません

COMMENTS & TRACKBACKS

  • Comments ( 2 )
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  1. こんにちは。
    地球の周りにはたくさんのゴミがあるんですね!
    それがかなりの速さで飛んでいるとなると何かに
    ぶつかった時の衝撃は凄まじいですね。
    宇宙を題材にしたアニメはガンダムなどちょっと
    非現実的ですがこのプラネテスは宇宙のゴミを拾う
    というとても身近に感じることでそれにかかわる
    人間ドラマが素晴らしいものだと感じ、観てみたく
    なりました。

    • かなたさん いらっしゃい
      プラネテスはマジでおすすめで、見終わった後も色々考えさせられます
      この原作者の作品は他にも深く考えさせるコミックありますよ
      ヴィンランドサガという海賊時代の北欧をベースにした戦争の話ですが
      少年時代に強さを求めて戦争に参加した少年が、大人になり自分のしてきた因果と向き合い
      最終的に・・おっと、話はここまでだ( ̄ー ̄)ニヤリ (゚Д゚;)誰だよ
      こちらも人間ドラマが熱い&残酷なのでぜひどうぞw

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